現在の積雪は約70センチ程。それでも、日差しが日毎に強くなっていくのを感じます。もうすぐ春ですね! ところで、よくお客様から「アルコール添加していないお酒は無い?」とか「アルコールを加えた酒は駄目だよ。米だけで造った昔ながらの酒がなんたって一番だよ」という声を聞きます。 確かに旨い不味いは個人の嗜好ですから、それについてとやかく言うつもりはありません。しかし、あまりの決めつけはお酒の楽しみを半減させることになりかねませんので、今回の富田通信はアルコール添加について書いてみましょう。 |
1685年の『童蒙酒造記』には、酒に焼酎(アルコール)を入れると「味がしゃんとし、足強く候」とあって、良質の焼酎のとり方までも記されています。また、1771年の『酒造伝記録』には「酒がよくなるなり、ただし辛くなる」とあります。 酒のモロミに焼酎を加えることにより、味がしっかりして、更に酒が腐りにくく保存が効く(足強く候)ことが江戸時代からすでに知られていたのです。 そして、加える焼酎のことを、酒をしっかりさせることから『柱焼酎』と呼んでいました。 味の軽さはともかく、アルコールを添加して酒の成分が薄まっているはずなのに、香りが引き立つのは何故なのでしょうか? | |
「本醸造酒の特色は、白米重量の10%以内の醸造アルコールをもろみに添加していることである。具体的にいうと、1トンの白米に対して、100%アルコールを116リットル、実際にはこれに相当する量を30%アルコールになるように薄めてから添加している。この量のアルコールをもろみに添加すると約25%増量する計算になる。 そこで当然、味もその割合で薄まっているのではないかという疑問が生じよう。搾った日本酒にアルコールを直接に加えれば当然成分は薄まる。しかし、もろみに薄めたアルコールを加えると、香りや味の成分が引き出されてきて、香味はあまり薄まらないことが、国立醸造試験所の試験結果からわかった。アルコール添加をしないで搾った日本酒と、添加後の本醸造酒とを比べると、香りの成分、アミノ酸類、有機酸類やミネラル分などは双方ともあまり変わりない。 |
いかがでしたでしょうか。純米吟醸、吟醸酒、純米酒、本醸造酒にはそれぞれに良さ、個性があります。あまり固定観念にとらわれず、自分の舌で自分に合う酒を見つけてください。それでは乾杯! | |||||||||
…… 商 品 案 内 …… 白い季節もやっと終わりに近づき、もうそこまで春が来ています。そこで今回は、出羽桜酒造の春づくしと参りましょう。
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